着物と日本髪と変身体験が大好きなぷにすけです。舞妓変身体験を、もっともっと楽しくするのに役立つ着物や髪型の豆知識をご紹介。
舞妓さんの花かんざしは月ごとに変わります
舞妓さんの装いには豊かな四季の変化が映し出されています。
中でもわかりやすいのが、季節の植物などをモチーフにした花かんざし。舞妓さんの黒髪を彩る美しい花かんざしは月ごとに変わり、微妙な季節の移ろいを感じさせてくれます。
各月ごとに挿すかんざしの代表的なものは以下の通りです。
画像をクリックすると詳細ページに飛びます。
このほかにも、季節にちなんだモチーフの様々なかんざしがあります。舞妓さんが自分の好みであつらえることもあるようです。
舞妓さんの年齢(キャリア)によっても変わります
この、月ごとの変化に加えて、舞妓さんの年齢(キャリア)によっての違いがあります。
舞妓さんのかんざしと言って、私たちがイメージしがちなぶらぶらがいっぱいついたかんざしは、若い舞妓さん用です。これがたくさんついているほど若い舞妓さんということになります。
子供らしいかわいらしさが強調されますね。かえして言えば、まだまだ未熟な証拠。だから一日も早くこれがとれるように頑張るのだそうです。
お姉さんになるとぶらぶらはなくなり、かんざしそのもののデザインもシンプルになっていきます。
下の写真は同じ紅葉のかんざしですが、ぶらぶらがいっぱいなのは若い舞妓さん。全体にすっきりしているのがお姉さん仕様です。
もちろん髪型もそれぞれ「割れしのぶ」「おふく」になっています。
「割れしのぶ」と「おふく」についてはこちらをご覧ください。
変身舞妓さんの髪型やかんざしは、基本的に若い舞妓さんの仕様です。
やはり誰のイメージにもぴったりくる、舞妓さんらしいかわいらしさが一番でるスタイルだからでしょう。お店によってはお姉さんなスタイルをさせてくれるお店もありますので、お好みのほうを選んで楽しんでください。
こちらのページにも、若い舞妓さんとお姉さん舞妓さんの比較があります。
本によっても若干異なる月ごとの花かんざし
舞妓さんの花かんざし一年十二ヶ月を紹介している書籍は新旧いろいろあります。
が、だいたい以下のような内容かと思います。
- お正月-稲穂 1月-松竹梅
- 2月-梅
- 3月-菜の花
- 4月-桜
- 5月-藤
- 6月-柳
- 7月-団扇
- 8月-すすき
- 9月-桔梗
- 10月-菊
- 11月-紅葉
- 12月-顔見せのまねき
- (「京の花街祇園」「京舞妓歳時記」他)
ですが、これとは異なる記述をしている本があります。まずは「黒髪の文化史」という本
- 1月-折鶴・松・稲穂・ビラビラ簪・亀甲簪
- 2月-梅
- 3月-桜
- 4月-藤・菜の花
- 5月-菖蒲
- 6月-牡丹・柳
- 7月-お祭り(団扇・扇)
- 8月-すすき(銀製)
- 9月-菊
- 10月-紅葉
- 11月-風車(かの子)または季節のないもの
- 12月-まねき(もち花)
「つまみかんざし三代」には
- 1月-松
- 2月-梅
- 3月-桜
- 4月-菜種
- 5月-藤・あやめ
- 6月-あじさい
- 7月-柳・すすき
- 8月-すすき
- 9月-菊・紅葉
- 10月-紅葉
- 11月-変り物(吹き寄せ-いちょう・こぼれ松葉など-)
- 12月-まゆ玉
いずれも、よく知られているものとは若干違うところがあり、そしてこの2つ同士では共通項が多いです。
「つまみかんざし三代」の記述は、「祇園に生まれ舞妓から芸妓になり、現在は料亭の女主人となっている女性から聞いたもの」と書いてあるし、「黒髪の文化史」の著者も祇園のお茶屋さん髪結いさんなどで聞き書きしているようなので、これらが間違いではないと思います。
「京舞妓十二月」という、戦前から昭和30年くらいまでの舞妓さんの姿を写した写真集を見ると、3月の舞妓さんは桜のかんざしを挿しています。
ということは、時代とともに変化してきたのかも。
そもそも、季節のかんざしはどの程度「何月はこれ」と決まっているのでしょう?
「かわりかんざし」とか言って、定番以外のかんざしはいくらでもあるし、都をどりのお茶席では4月の終わり頃にもなると藤の簪を挿していたりすることもあります。
舞妓さんによっては、好みで人と違うものをあつらえることもあるようですし、季節の花かんざしはあくまでも「その季節に合ったデザインのかんざし」であって、実際には本で紹介されている以上に種類も挿す時期も様々なのだと思います。
地球温暖化が進んだら、舞妓さんのかんざしもまた変わっていくのかもしれませんね。
数十年後の本は、一体どんな記述になっているんでしょうか(^_^;)