着物と日本髪と変身体験が大好きなぷにすけです。
舞妓さんの衣装と言えば、振袖と何と言っても「だらりの帯」。
「これぞ舞妓」って言うか、「これでなくちゃ舞妓じゃない」と言っていいくらい「舞妓さん」には欠かせないアイテムです。
「助六の宿貞千代」さんは閉業されたそうです
参考までに、こちらは以前浅草で半玉さん体験をした時の写真です。
浅草の半玉さんは、帯をこのように結んでいます。
ちなみに振袖に足元はぽっくり(おこぼ)ですが、着付けはお引きずりではありません。
ここでは「舞妓変身体験」においても重要ポイントの「だらりの帯」について。
そして、あまり気にならなかったけど、気にしだしたらとことん気になってしまう小物類について書いてみます。
舞妓さんと言えば「だらりの帯」変身体験の場合は…
舞妓さんの「だらりの帯」。
本来は↓の写真のように、舞妓さん用の長い帯を結んであの形にします。
体験の場合は、このように一本の帯を結ぶところと、前の部分と「だらり」の部分が別になった「作り帯」を使うところとがあります。
帯結びをちゃんと体験してみたい!なら、きちんと一本で結んでくれるお店がいいと思います。
「だらりの帯」を作り帯で体験するのはよくないの?
じゃあ「作り帯」だとよくないの?というと、そうでもないです。
作り帯はすでに形が決まっています。
予め長さが決まっているので、背の高さによって見栄えが変わってしまうことがあります。
その一方で、結ぶ人の技術を問いません。
以前、左右の長さが激しく違う「だらり」を結ばれている変身舞妓さんを見かけたことがあります。
あれなら作り帯の方がいいかも
なんて思いました。
そしてこの作り帯も、実はお店ごとに結構クオリティが違います。
実際、作り帯でも全然そう見えないお店もあります。言われてもわからないくらいきれいだったりして。
先ほどの、「身長による長さの問題」もクリアしている作り帯を使っているお店も、実はあります。
もちろん、いかにも作り帯っぽい場合だってありますけれどね(;^ω^)
メリット | デメリット | |
手結び | 本物の舞妓さんと同じ着付けを体験できる 体格に合わせて結んでもらえる | 仕上がりが帯を結ぶ人の技術に左右される |
作り帯 | 仕上がりが結ぶ人の技術に左右されない | 体格にあった結び方にならない 仕上がりが手結びとは違う場合がある |
だらりの帯は、帯そのものも鑑賞の対象です。
すべてのお店では難しいかもしれませんが、もしもいい帯を使っているお店で体験されたときは、ぜひ後ろ姿もたくさん写真にとって、その良さを堪能してください。
本物の舞妓さんじゃないと難しい小物①半襟・ぽっちり
舞妓さんの衣装。着物や帯に注目しがちですが、実は半襟もかなり高価なものです。
変身体験の舞妓さんが、なかなかまねできない部分の一つですね。
半襟の模様は刺繍でできています。
本物の舞妓さんの衣装を着せてくれるお店だと、本当に手刺繍の見事な半襟を体験できることがありますので、機会があればぜひじっくり見てください。
そして肌で重みも感じてください。
本当にどっしり重いので。
そしてもう一つが「ぽっちり」。舞妓さんがつけている帯留めです。
これはもう絶対無理と言っていい代物です。
本物の舞妓さんのぽっちりは、宝石など本当に高価なもので作られているので、変身体験で本物を使うのはほぼ不可能です。
なので変身体験のお店では、それぞれに、それらしく工夫を凝らしてデザインしたぽっちりを使っています。
本物の舞妓さんじゃないと難しい小物②ビラかんざし・鹿の子止め
年少の舞妓さんの結う髪型「割れしのぶ」の、髷のてっぺんにある飾りは「鹿の子止め」と言います。
これも非常に高価なもので、本物の舞妓さんたちがつけているのは宝石やべっ甲などが使われたり、細かな細工のあしらわれたものです。
変身店ではなかなかそうも行かないので、だいたいはお店ごとに様々なスタイルでそれらしく見せています。
なかには省略してしまっているお店もあったり、そもそも「割れしのぶ」ではなく「おふく」をメインにしている場合もあるようです。
もう一つ、ビラかんざしも本物の舞妓さんのようにはいかないものです。
本物の舞妓さんのビラかんざしは、銀細工の透かし彫りです。
舞妓さんの所属する屋形の紋がデザインされています。
一方体験用のビラかんざしは、もう少し安価なものです。
お店によっては、体験用ではないものを体験できる場合がありますので、機会があればぜひじっくり見てください。
舞妓さんの衣装は、基本的に舞妓さんが所属する屋形(置屋)の物です。
着物、襟、ぽっちりと言った高価な物は代々その屋形で使われていて、屋形のおねえさんの舞妓さんや芸妓さんに、「それうちがしてたやつやわ~」なんて、妹の舞妓さん達は言われることもあるんだとか。
また着物は季節で替わっても、この襟とぽっちりは変わりません。
顔を良く覚えていない舞妓さんでも、半襟やぽっちりは変わらないので、それを見て「あ、あのこだ」とか、「ああ、あの屋形のこだ」とかわかるそうですよ。
ちなみに「鹿の子止め」も屋形のもので、所属の舞妓さんたちが代々使っています。
ぽっちりや半襟と同じで、鹿の子止めを見ればきっと、どこの屋形の誰かわかるんでしょうね。
舞妓さんの帯写真集?「京舞妓百景―ジョン・フォスター写真集」
外国人カメラマンによる芸舞妓さん写真集です。
見ていてとにかく「似たようなアングルの写真が多い」という印象を受けます。
特に目立つのは、うつむき加減の顔のアップと後ろ姿。
とりわけ舞妓さんの後ろ姿が、これほどクローズアップされた写真集というのも珍しい気がします。
さながら「舞妓さんの帯コレクション」という感じ。
闇夜に浮かぶ様々な色や柄のだらりの帯、着物とのコントラストが、カメラマンにはとても興味深く、また美しく見えたのでしょう。
正直、人によっては退屈と感じるかもしれません。
とりあえず、舞妓変身のポージングにはまったく参考になりません(^_^;)
ただ、純粋に芸舞妓さんの写真としては美しいですし、衣装の資料集として見ても個人的にはポイントの高い本です。
アップが多い分、着物の柄や質感、襟元の刺繍やかんざし、お化粧の仕方などがわかりやすいです。
後姿が多いので、↑で書いた鹿の子止めも。
舞妓さんの装いについてわかっている方なら、季節やキャリアによって異なる舞妓さんの装いを確認しながら見てもおもしろいと思います。