着物と日本髪と変身体験が大好きなぷにすけです。
京都関連の本を読んで、ふと舞妓変身体験について思ったことを書いてみます。
やはり「本物」を知る人たちの目はごまかせません
「京都 影の権力者たち」という本の中で、次のような話が出てきます。
祇園の「伝統的建造物群保存地区」にビルを立てるにあたり、景観を損ねないようデザインなど様々考慮し、近所に了承を得て作業を進める中、「漆のたまり色の赤」と指定していた玄関の門柱を、工務店が誤って普通の「赤」を塗ってしまい、苦情の声が上がったというのです。
どちらもとてもよく似た色で、普通ならどちらも「赤」で通るものが、近所の人には「これは京都の赤と違う」と分かり、苦情の対象となる。
普段から、「本来のあるべき色」を目にしているからこそ、そうでない色をみて「違う」ことが分かるのでしょうね。
舞妓さんの「赤」にもあるべき「赤」の色がある
舞妓さんの「赤」、襦袢の赤、前髪くくりの赤、割れしのぶのかのこの赤、これらも正しい「舞妓さんの赤」があるように思います。
「赤」であれば何でもいいわけでは、おそらくないはずです。見る人が見ればすぐ分かる「赤」の違い。分からない人には全く気にならないことかもしれませんが、見る人が見ればそれは「決定的な違い」であり、「そんなのは違う」とおそらくなるでしょう。
比較的巧妙な変身舞妓でも、地元の人にはニセモノとすぐに分かるのは、やはり「本物を知っている」からなのだなと思います。
カツラじゃないとか、かんざしが季節のものだとか、そう言う分かりやすい「形」だけではない部分。
私も裏を取ったわけではありませんが、「赤」の色に限らずこういうことが、もっともっといろいろあるに違いありません。何とも奥が深いです。
京都の「影の権力者」=公家、僧侶、茶人、花街関係者、室町の商人と言った「白足袋」をユニフォームとする人達にスポットを当てて、そうした側面から改めて京都という街・文化を浮き彫りにしたなかなか面白い本です。
花街に関する記述は一部ですが、京都という街や文化に興味のある方には全編面白く読める本だと思います。
花街に関して言えば、島原の太夫さんに関する記述がちらっと出てくる部分が興味深いです。