着物と日本髪と変身体験が大好きなぷにすけです。
京都の舞妓さんの写真集や本は新旧本当にたくさんあります。今回は一人の舞妓さん芸妓さんにスポットを当てた本を集めてみました。
所属する街も違えば、本のテイストもそれぞれずいぶんと違います。
一見、同じ「舞妓さん」「京都花街」がテーマの本でもおもしろいですよね。
全部自分が読んだ本です。みなさんへのご紹介でもあり、自分の読書メモでもあり。
発行年が古い本ばかりで、手に入りにくいものもあります。その場合はぜひ図書館で探してみてください。
私個人は、古い本には古い本ならでは内容があるので新旧様々な本を見たかったりします。
「祇をん市寿々」
一人の舞妓さんの、花街での成長を追った写真集です。
モデルになっているのは祇園甲部の市寿々さん。
今では珍しくなった、お茶屋を営む家で生まれ育ち舞妓になったという、言わば祇園のサラブレッド。
花街のしきたりをその成長と共に追う、ドキュメンタリータッチの写真集です。
舞妓としてのデビュー「店出し」から始まり、やがて舞妓から芸妓になる「衿替え」を経て、さらに芸妓として妹の舞妓を引く‥という、一連の成長の記録がつづられています。
こうして、一人の舞妓さんを長期間にわたって追い続けた本はなかなか貴重ですよね。
巻末に少しまとまった文章はありますが、全体には写真が中心です。節目節目の舞妓さんの姿はもちろん、お化粧や髪結い、着付けの様子なども紹介されています。
市寿々さんという一人の舞妓さんをメインに扱っていながら、単に市寿々さん個人というのではなく、その姿を通して「舞妓の花街での成長」をかいま見られる写真集になっています。
一人の舞妓さんを追うことによって、店出しや衿替えと言った花街の行事が、その舞妓さんにとって大切な人生の節目であり、一大イベントなのだと言うことを改めて意識させられる本です。
「舞妓はんになってみませんか―京都宮川町の舞妓姉妹、君香さんと君晴さん」
宮川町から実の姉妹で舞妓さんになった、君香さん、君晴さんがモデルの写真集です。
特にメインはお姉さんの君香さん。
お店出しからはじまり、花街の年中行事や日常の様子など、簡単な文章を添えながら写真で綴っています。
君香さんたちの姿を追いながら、舞妓さんのことをざっくりと知ることができる内容です。
一人の舞妓さんを追った写真集は他にも出ていますが、それらの本に比べると、こちらは特にドキュメンタリータッチではありません。
リアルな日常風景よりも、イメージ写真というか、絵はがきやカレンダーのような写真が中心です。
とにかく「美人の舞妓はん」がモデルですし、眺めているだけで楽しいです。
お正月の黒紋付きから四季折々の様々な装い、白塗りの舞妓姿だけでなく普段着の着物姿もありますし、いろいろな舞妓さんの姿を見ることができます。
「本のお値段に比しての枚数」という点では、かなりお得感がありますね。
「花街の記録写真集」と言うよりは「君香さん写真集」なので、何を求めて舞妓さん写真集を見るかによっては、少々好みの分かれる本かもしれません。
お目当ての舞妓さんが他にいる人、いろんな舞妓さんを見たい人、ドキュメンタリー的なものを求めている人には、ちょっと物足りないかもしれません。
もちろん、君香さんファンなら迷わず買うことをおすすめします(^^)(舞妓さんになる前のプライベート写真も掲載されていますよ)
ちなみにタイトルは「舞妓はんになってみませんか」ですが、決して舞妓さんの求人が載っているわけでも、舞妓さんになるための方法が詳しく載っているわけでもありません。
舞妓さんになりたいお嬢さん方に直接的に役立つ情報はありませんが、憧れを募らせるには十分な内容です。
「舞妓のお作法」
上七軒の現役舞妓さん(出版当時)市まめさんが、舞妓さんについて教えてくれます。
舞妓さんになるまで、仕込みさん時代や舞妓さんになってからの日々の生活、一日のタイムテーブル、ファッションやお化粧、お座敷での様子などなど‥‥。
すべて語り口調で、各パートがほぼ見開きで完結、写真もたくさんでさらっと読めてしまいます。
一つ一つのエピソードがあまり掘り下げられていないので、ある程度予備知識のある人には正直物足りないかもしれませんが、舞妓さんって何?何をする人?どんなお仕事してるの?といったことがまったくわからない人には、少し舞妓さんというものがイメージしやすくなるかもしれませんね。
内容のボリューム、写真やイラストの入れ方から見ても「(本物の)舞妓さんになりたい!」という年齢層の方々向きの本かな、という印象です。
「すっぴん芸妓―京都・祗園のうっかり日記」
祇園甲部の現役芸妓、小喜美さんの本です。
タイガースファンの芸妓さんと言えばお分かりになる方もいらっしゃるかも?
↑の市まめさんの本が、舞妓さんや花街文化についての紹介・案内本だとすれば、こちらは芸妓として祇園に生きる女性の日常がつづられた本。
「祇園の芸妓についての本」ではなく、あくまでも「芸妓の小喜美さんが書いた本」です。
いかにも優等生的な舞妓像を思わせる市まめさんの本とは趣が異なり、タイトル通り「すっぴん」の芸妓さんの日常が、京都の美しい四季や祇園町の折々の行事とともに、気取らない文体で綴られています。
「生きた伝統工芸品」の祇園の芸妓さんが、ちょっと身近に感じられるかもしれません。
あ、一応断っておきますが、お下品な暴露本的内容を期待しても無駄ですよ(笑)
読んでいると、無性に京都に行きたくなってきます。
小喜美さんと同じところを歩いたり、お店に立ち寄ったり、自転車に乗ったりしてみたくなります。
京都の魅力とともに、普通の花街紹介本では、絶対に知ることのできない芸妓さんの姿を感じることができる1冊です。
とにかく肩肘張らず、気軽に楽しく読める本です。息抜きに、京都が恋しくなったときに、ちょっと手にとって読んでみてはいかがでしょう。
本を手元に置くなら
新しい本も中古本も、両方一度に探しやすいですね。
本のレビューも割と参考になりますし。
アイテム数も多いので、買うか買わないかはさておき情報収集にも使ってます。
新刊図書以外のアイテムが薄いのが難ですが、送料無料は魅力かな。
楽天ポイントも使えるし。
中古を探すなら楽天市場全体で探すと、出店してる古書店の商品が引っ掛かります。
本を図書館で借りるなら
古すぎて売ってなかったり、あっても高かったり、まあそうじゃなくても、図書館はまずチェックですね。
まずは地元の図書館ですね。そこにあれば一番楽です。
地元の図書館になかったりしたら、こちら「国立国会図書館」。
一般の図書館のように貸し出しは不可ですが、館内での閲覧は可能です。
遠方にお住まいの方は最寄りの図書館に取り寄せることも可能。
「国立国会図書館サーチ」で探すと、全国どこの図書館に蔵書があるのかがわかります。
地元の図書館にはなくても、他の図書館から取り寄せることも可。
ほかにもネットで読めるものや複写サービスなど、いろいろあるので興味のある方はぜひ!
本に関するいろいろなサイトにリンクがつながっていておもしろいです。