着物と日本髪と変身体験が大好きなぷにすけです。
2003年もあとわずかとせまったその日。
変身舞妓みんなの姉さん、もえぎさんが舞妓姿に別れを告げました。
本物の舞妓さんが、舞妓を卒業するときに結う最後の髪型「先笄(さっこう)」を結い、黒紋付きの正装での舞妓姿。
体験のお店はもちろん、ペンション祇園さん。
この日はその為だけにわざわざ京都にやってきた私を含む4名、存分にその姿を堪能して参りました。

とにかく本当にキレイでした。もう、だまって写真を見てやって下さい。
「先笄」本職の舞妓さんが結う美容院での結髪

本物の舞妓さんが、舞妓を卒業し芸妓になる直前にだけ結う髪型「先笄(さっこう)」。
実際に結っているところは初めて見ました。
コテをあてて髪をまっすぐにし、鬢付け油をつけてときつけていきます。

見た目にも複雑な髪型で、どのように結っているのだろうと思いましたが、結い始まったら早いです。
あっという間に形になっていきます。
髷の中には水引や布が一緒に結われています。
横に通してある鼈甲でできた笄(こうがい)も。
髷の上に橋のようにまっすぐにかかった髪がまた特徴的な髪型です。

髪結いを終え、お支度に急ぎます。


化粧




衣装の準備です
この日のために用意されたハレの衣装
みんなでしつけ糸を丁寧に外します

おめでたい鶴がたくさん描かれた紋付き

着付け みんなが見守る中で





お支度が出来てご挨拶
手をついて

ご挨拶

先笄はもともと新婦の髪型で、成人を意味する髪型ですが、この時は正に嫁入りでもするかのような厳粛な空気が漂っていました。
一同思わず、娘を嫁にやる親の気分をも味わってしまいました。


娘がいる人は誰もいないけど(笑)
師走の京都の風景と先笄の舞妓さん
お正月も間近の京都では、新年の用意があちこちに見られました。
こちらは門松。


今回の衣装は、着物も帯もかなりのアンティークもの。
この帯は柄の入り方が最近のものとはだいぶ違い、近くで見るとちょっとゴテゴテしすぎ?というくらい模様が入っています。
でもこうやって着物と合わせてしまうと大丈夫なものですね。
着物には肩にも模様が入っていて「先笄なのにあれ?」と思いましたが、昔は舞妓さんの年齢が低かったので、お姉さん舞妓と言っても今の舞妓さんよりもずっと子ども。
当時は年長の舞妓さんの衣装でも肩に模様があったのだそうです。

それでも、小さい舞妓さん用の衣装よりはずっと控えめですけれど。
日没もやや迫ってきた新橋で

帯揚げも着物とおそろいの鶴

新橋にはまだ紅葉が残っていました


お座敷を控えて



「かにかくに」さんのお座敷にて
「かにかくに」さんで、お座敷風景の撮影です。


自然な笑顔が本当にお座敷での一コマを撮ったみたいです。
舞姿も

「黒髪」を舞っているところ。

このポーズだと、裾の方に書かれた鶴が良く分かります。
鶴の群れが、まるで体に沿って飛び立っていくようです。
鶴が体の曲線を強調して、なんだかとても色っぽい衣装に見えてきます。
先笄の舞妓さんと言えばこの舞ですが、「黒髪」は芸妓さんになってから舞う舞なので、舞妓さんの姿で舞うのは先笄の時だけです。
先笄と言えば忘れちゃいけない「お歯黒」
先笄と言えばもう一つ、忘れてはいけないのが「お歯黒」です。

これも既婚者の印で、やはり成人を表すものの一つ。
つけているところを初めて生で見ましたが、意外にきれいなものなんだなと思いました。
この写真は歯をむき出しすぎですが(笑)、下の写真のように少しだけ歯をのぞかせるようにほほえむと何とも色っぽいんですよね。

照明を落としたところだと、さらに色っぽさが倍増します。
今やお歯黒をつけている人なんて、この時期の舞妓さんと島原の太夫さんくらいですが(太夫さんは常につけています)、見る価値ありですよ。
ここからはひたすら写真集です
灯り



黒髪 ろうそくの灯りの中で







障子に映る影


名残は尽きませんが…

長いようであっという間に時間が過ぎ、みんなに惜しまれつつもえぎさんの舞妓姿はこれで見納め。
これからは美しい芸妓姿を楽しませて頂きたいと思います。
ありがとうございました。